大原観山「終生、蟹行の書を読まず」

正岡子規の祖父、大原観山は西洋嫌いで、洋書などは決して読もうとしなかった。観山作の七言絶句の漢詩には「終生不読蟹行書(終生、蟹行の書を読まず)」の一句があるが、これはかにの横歩きのような欧文の書は終生、読まないとの意である。

観山は晩年、この七言絶句の漢詩を書いて子規に与えた。東京根岸の子規の自宅には祖父直筆のこの漢詩の軸がながく掛けられていた。

軸一つ 余が八、九歳の時、母方の祖父観山翁の余のためにと特に書きて給はりし者なり。書かれたるは七言絶句にして結句に終生不読蟹行書とあり。詩も多くあるに此詩を択ばれたるは余を誡められたるにやあらん。今年ははや二十五年忌の香の煙朦朧として御面影を忘れたるこそ悲しくはかなけれ。
  軸掛けて椿活けたる忌日かな
           (正岡子規「室内の什物」明治32年4月)


子規敬愛の観山が死去したのは明治8年(1875)4月11日、享年五十八。

【典拠文献・参考文献】
『子規全集』第12巻(随筆2)講談社 1975年10月

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テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

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