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富安風生「寒」の句

きびきびと万物寒に入りにけり
寒といふ恐ろしきものに身構へぬ
大寒と敵(かたき)のごとくむかひたり
寒といふ文字の一画一画のさむさ
乾坤(けんこん)に寒といふ語のひびき満つ


富安風生(1885-1979)は愛知県の出身、本名謙次。逓信省の要職を歴任し、次官までつとめた高級官僚であった。俳句では虚子の門下。「俳句の虫」を自認していたという。掲出句はこの時季らしい張り詰めたような感覚とユーモアとをともに含んでいる。名うての寒がり屋であったという風生。寒さに敏感なこの作者が詠んだ「寒」の句はいずれも秀逸であった。

(句の「乾坤(けんこん)」は天地、あめつちの意)

【参考文献】
山本健吉『鑑賞俳句歳時記 冬・新年』文藝春秋 1997年5月
大岡信『百人百句』講談社 2001年1月

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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

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