虚子「枯菊に尚ほ或物をとどめずや」

枯菊(かれぎく)に尚(な)ほ或物(あるもの)をとどめずや


高浜虚子、昭和18年(1943)12月24日作の句。20年1月14日には、「枯菊に尚(なほ)色といふもの存す」というよく似た趣きの句も詠んでいる。この類似の二句はともに先の戦争中の作。菊は皇室の紋章であることから、「枯菊」を詠むのは不敬であるとの論が当時、俳壇で唱えられたが、虚子は意に介さなかった。

枯れしおれてしまった菊も、なお一点、風情ある何かをとどめている。余人が気づかない微視的なその何かの残存に気づいた虚子は、やはり天性の詩人であったというべきであろう。

【典拠文献・参考文献】
『虚子五句集(上)』岩波文庫 1996年9月
山本健吉『定本現代俳句』角川選書 1998年4月

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