子規「柿くへば」の句(2)

柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺


正岡子規の余りにも有名な句。この句ははじめ明治28年(1895)11月8日の「海南新聞」(愛媛の地方紙)に掲載されたが、これに先立つ同年9月6日の「海南新聞」には、夏目漱石の

鐘つけば銀杏ちるなり建長寺


という句が子規の選を経て掲載されている。見てわかるように両句の表現法は酷似。子規の「柿くへば~」は漱石の「鐘つけば~」を換骨奪胎したものであるかのようにも見える。だが、それにしても、両句の文学としての価値の違い、子規の句からは鐘の音があざやかに聞こえてくるが、漱石の句はそうした印象をもたらさない。「漱石君、僕の句のほうがいいと思わないか」……子規は「柿くへば」の句で漱石にそう言いたかったのかもしれない。

【参考文献】
坪内稔典『柿喰ふ子規の俳句作法』岩波書店 2005年9月

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