「風を起す機械」子規庵に設置

子規『病牀六尺』明治35年(1902)7月19日条に、碧梧桐が手作りの「風を起す機械」を取り付けてくれたとの記述がある。

此頃の暑さにも堪へ兼て風を起す機械を欲しと言へば、碧梧桐の自ら作りて我が病床の上に吊り呉れたる、仮に之を名づけて風板といふ。夏の季にもやなるべき。
風板引け鉢植の花散る程に


この仮称「風板」なるものは、紐を引くと布地の垂れが動いて風を送る仕組みになっていたらしい。どの程度効果があったかわからないが、これを作った碧梧桐、かなり器用である。

『病牀六尺』では7月19日条で言及されているこの「風板」設置、実際にこれを取り付けたのは、同月の10日であったことが『仰臥漫録』の記述からわかる。

明治三十五年 麻痺剤服用日記
(中略)
七月十日 雨 煽風器成ル ノマズ


「ノマズ」はこの日、麻痺剤を服用しなかったという意。終日、雨だったこの日のことについては、子規『菓物帖』(明治35年)に、

七月十日 雨(中略)午餐ヲ食シ了ツテ巴旦杏ヲ喫ス 快言フベカラズ


との記述も見える。同日、「巴旦杏」(ハタンキョウ・別名トガリスモモ)を食べて「快言フベカラズ」だった子規。同日のその「快」には、碧梧桐の厚意による「風板」設置の快も加わっていたに違いない。

【典拠文献・参考文献】
『子規全集』第11巻(随筆1)講談社 1975年4月
『子規全集』第14巻(評論 日記)講談社 1976年1月

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テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

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