子規「世界と日本、日本と四国」

正岡子規は『筆まかせ』第一編「世界と日本、日本と四国」の中で、日本人および伊予人の特質を次のように分析している。

日本人ハ世界各人種の中にて最敏捷なるものなり。早熟なるもの也。模倣に巧にして創造に拙なるもの也。若き時は西洋の赤髯などにはといふ意気ごみにて中々勇気勃々たれども、一学問をなし一事業を終へれば忽ち小成に安んじ又進歩することなし。(中略)四国人(少くも我松山人否伊予人)が日本全国に対して立つ関係は丁度日本が世界に対するが如しと思はるゝ也。我国人は中々敏捷なるものにて殊に模倣に巧なることは古来より四国猿の名あるを見ても知るべし。学校などに在ては可成りにやれども学校を出づれば小成に安んじ、一たび挫折にあへば忽ち業を廃するに至る。故に大業をなし大名を掲げる人更になし。


小成に安んじて進歩することのない日本人。伊予人はその日本人の中でもそうした特質が最も顕著であるから、大人物が出ていないという。こう述べたときの子規は数え年二十二歳、青年時代の分析であるが、自分は違うという意識をひそかに持っていたのであろう。小成に安んずることもなければ、業を廃することもない、大業成就を目指した生涯を子規はおくった。

【典拠文献】
『子規全集』第22巻(初期随筆)講談社 1975年5月

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テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

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