大洲の暑さ-『甲子夜話』の記述

松浦静山(1760-1841)の『甲子夜話』(八)に、伊予大洲地方の夏の暑さが格別のものであるということが同地藩士よりの話として記されている。

大洲侯に邂逅せしとき、国々の寒暑の談に及び、我が平戸の気候をかたり、さて予州(注-伊予国のこと)も海近ければ夏も涼しかるべしと言いしに、侯の臣堀尾四郎次、その座にありていわく、曾てしからず、暑さ至って甚だし。盛暑に至りては途行するに炎気黄白色をなし、空中に散流し、人目を遮り、前行十歩なる人は殆ど見え分かたず、その蒸熱堪えがたし。かくのごとくなれば、途行するもの、青傘を用いざれば凌ぎがたし。しかるに近頃青傘をさすこと停止せられしかば、暑行尤も難儀なりと語りぬ。国々によりて暑気の厚薄もある中に予州はことさらに甚だしく異なることなり。〔表記は読みやすいよう改めた。〕


盛夏の頃には黄白色の炎気が空中に漂い、道行く人の目をさえぎるほどだという。「その蒸熱堪えがたし」。大洲地方は盆地であるだけに夏の湿度はひときわ高く、同じ伊予でも他地域とは違った独特の暑さがあった(今でもある)ようである。

【典拠文献】
『古事類苑 地部二』吉川弘文館 1976年12月

にほんブログ村 地域生活(街) 四国ブログ 愛媛県情報へ
にほんブログ村
にほんブログ村 地域生活(街) 四国ブログ 松山情報へ
にほんブログ村

テーマ : 雑記
ジャンル : 学問・文化・芸術

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
QRコード
QRコード