中島敦「ラクダ」の歌

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中島敦(1909-1942)「駱駝」の歌

生きものの負はでかなはぬ苦悩(くるしみ)の象徴かもよ駱駝の瘤(こぶ)は
やさし目の駱駝は口に泡ためて首差しのべぬ柵の上より


「駱駝」が日本にもたらされたという記録は『日本書紀』に見えるが(推古天皇七年条「秋九月の癸亥の朔に、百済、駱駝一匹・驢一匹・、羊二頭・白雉一雙を貢れり」など)、『書記』に出る「駱駝」が今いうラクダであるかどうかは不明。

江戸時代にはラクダが二度渡来している。文政4年(1822)長崎、文久2年(1862)横浜。文政4年に渡来したラクダは10年以上も全国をまわり、見世物となった。江戸両国の興行では一日に5000人以上もの観客を集めたこともあるという。江戸時代、舶来動物には「ご利益」があるとされ、ラクダを見ると「疱瘡麻疹除けになる」「悪病払いとなる」「夫婦仲睦まじくなる」「福を招く」などといわれた。

〔画像は愛媛県立とべ動物園のヒトコブラクダ〕

【典拠文献・参考文献】
金子浩昌・小西正泰・佐々木清光・千葉徳爾『日本史のなかの動物事典』東京堂出版 1992年6月
『中島敦全集1』ちくま文庫 1993年1月
坂本太郎・家永三郎・井上光貞・大野晋校注『日本書紀(四)』岩波文庫 1995年2月
川添裕「舶来動物と見世物」(中澤克昭編『人と動物の日本史2 歴史のなかの動物たち』吉川弘文館 2009年1月)

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