カバの漢詩

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『山月記』『弟子』『李陵』などの小説で知られる中島敦(1909-1942)にカバを題材にした「春河馬」という漢詩がある。

春河馬 二首
悠々独住別乾坤 悠々として独り住む 別乾坤(けんこん)
美醜賢愚任俗論 美醜賢愚は俗論に任す
河馬檻中春自在 河馬の檻中(かんちゅう)春自(おのず)から在り
団々屎糞二三痕 団々たる屎糞(しふん)二三痕

春昼悠々水裡仙 春昼悠々たり 水裡の仙
眠酣巨口漫垂涎 眠り酣(たけなわ)にして巨口漫(そぞ)ろに涎(よだれ)を垂る
佇眄河馬偏何意 佇眄(ちょべん)せる河馬 偏(ひと)えに何の意ぞ
閑日閑人欲学禅 閑日閑人 禅を学ばんと欲す


「乾坤」=天地。「悠々独住別乾坤」は、悠然として別世界に住んでいるという意。「檻中」=おりの中。「団々」=まるいさま。「水裡仙」=水の中の仙人。悠然と別世界に住んでいるので仙人に喩える。「佇眄」=立ち止まって眺める。

ユーモアのある漢詩。「美醜賢愚は俗論に任す」が秀逸である。画像は愛媛県立とべ動物園のカバの「ハグラー」。1歳で日本に来たとき、横浜の検疫所から運河に逃げ出し、大騒動となったことがある。

【典拠文献】
『中島敦全集1』ちくま文庫 1993年1月

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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
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