平凸凹

「平凸凹」=「たいらのでこぼこ」と読む。夏目漱石が一時期つかっていた戯号。漱石は幼時に病んだ疱瘡の跡が顔に残っていたので、戯れてこのように自称した。正岡子規に宛てた手紙の署名で、この戯号がつかわれている(明治24年9月12日付の子規宛の手紙には「小生などは心の不平のみならず顔も一面に不平なれば」云々とある。「顔も一面に不平」は顔が平らならずでこぼこであったことをいうものであろう。この手紙の署名も「平凸凹」で、同年および翌25年の子規宛の手紙の多くがこの署名となっている)

漱石は子規宛の手紙ではふざけた自称をつかうことが多く、「平凸凹」以外にも「菊井の里 野辺の花」「菊井町のなまけ者」「埋塵道人」「露地白牛」「愚陀仏」などと称したりしている。「菊井~」は生家のある喜久井町に由来するもの。「埋塵道人」は都会の塵に埋もれている隠者。「露地白牛」は火宅の外にある大白牛車、仏教語でこの上ないさとりの境地の意。「愚陀仏」は「グダグダ」と「お陀仏」をかけ合わせたものであろうか。

【参考文献】
和田茂樹編『漱石・子規往復書簡集』岩波文庫 2002年10月

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テーマ : 歴史上の人物
ジャンル : 学問・文化・芸術

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