昼寝

司馬遼太郎の『街道をゆく20 中国・蜀と雲南のみち』に、昼寝の風習についての記述があった。

昼寝の風習の領域は、東南アジアから中国、日本(夏季)にいたるまで、まことに広大である。スペイン人が東南アジアにきてこの風習を知り、みずからもそれになじみ、シエスタとよび、やがて世界語になった。
西日本の農村ではまだこの夏季の習慣を遺している村がわずかながらある。私の子供のころ、奈良県などでは、昼食後一時間ばかりのあいだ、村じゅうが湖底のようにしずかになり、村道を歩いていても気味わるいほどだった。(中略)
日本では、江戸期、都市生活がはじまるとなくなり、明治後、農村からもあらかた消えた。
中国では、まだつづいている。北京でも昼寝があるし、官庁にさえある。昼食のあと、事務室に設備された昼食用の寝台で午睡(ウーシュイ)をとる。中国人からみれば、昼寝もせずに駆けまわっている日本人が、ときにおろかしくみえるのではないか。


『街道をゆく』はもともと「週刊朝日」の連載記事であった。上引の記述がある「中国・蜀と雲南のみち」が同誌に掲載されたのは今から30年近く前である。中国は当時と比べると激変、「午睡」の習慣など残っていないのではなかろうか。

【典拠文献】
司馬遼太郎『ワイド版 街道をゆく20 中国・蜀と雲南のみち』朝日新聞社 2005年8月

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テーマ : 雑記
ジャンル : 学問・文化・芸術

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