港山の石造ドック

「三津の渡し」に乗って対岸の港山に渡り、東に折れる細い道を行くと、いくつかの造船所がつづくなかに、角田造船所の第二工場がある。工場内には石造のドライドック(乾船渠)が二基、大正年間の竣工といわれるものがあり、道沿いの一画からそれを見ることができる。石造のドックが残っているのは珍しく、産業遺産としても貴重であるが、このドックは二つとも過去の遺物どころか、今も現役で中規模船の修理用に使われている。東側の第一ドックは長さ65m、幅11m、深さ5.7m、西側の第二ドックは長さ47m、幅9.5m、深さ5m。県内には石造のドックがもうひとつ、波止浜にあるらしいが、この港山のものの方が工法から見て古いという。

港山のこのドックはもと石崎船渠造船所の施設として建設された。同造船所の創業者石崎金久(1888-1982)は石崎汽船の経営者の親戚筋。大正10年(1921)、金久が経営の拠点を波止浜に移したのにともない、ドックは矢野造船に引き渡された。その後、所有者は転々としたが、昭和55年(1980)に角田造船所の所有に帰し、現在に至っている。

【参考文献】
財団法人えひめ地域政策研究センター編『愛媛温故紀行 明治・大正・昭和の建造物』アトラス出版 2003年3月

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テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

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