ケセランパサラン(ケサランパサラン)

春深くケセランパサラン増殖す


眞鍋呉夫(1920年福岡県生)『雪女』所収の句。句の脇には「ケセランパサランは白粉(おしろい)を食ふ虫なりといふ」との注が添えられている。ケセランパサラン(ケサランパサランともいう)は、一説によると東北地方の方言で「何がなんだかさっぱりわからん」という意味、その正体はビワの綿毛のある種のものであるという。これにおしろいをかけると、繊毛が立ち上がって、花が咲いたようになり、次第に成長するといわれる。その真偽はともかく、掲句には奇妙なリアリティーがあり、晩春の空気の中、どこかでそれが増殖しつつあるかのように感じられる。俳句の確固とした形式に沿って、すっと言ってのけると、掲句のような奇妙な実在感が発生する。それが俳句のメカニズムというものなのであろう。

【典拠文献・参考文献】
西君枝『ケサランパサラン日記』草風社 1981年3月
眞鍋呉夫『雪女』沖積舎 1992年11月

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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

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