「鬼」の語の接頭辞的用法

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伝説や昔話などで語られる鬼は、異界より現れて人を害する怖るべき存在、その顔も角や牙をもつ醜悪なものとしてイメージされてきた(一説では、鬼の集まる鬼門は丑寅(うしとら)の方角だから、鬼には牛の角、虎の牙があるという)。

画像は伊佐爾波神社(松山市桜谷町)楼門の鬼瓦。醜悪な鬼の顔をかたどって魔除けとする。

魔を退散させるほどの威力があるとされてきた鬼だが、その実在性は奪い取られ、今では「鬼」はもはや単なる接頭辞。その接頭辞としての「鬼」も「厳しい。怖い」という意味(「鬼監督」「鬼検事」等)であったのが、近年の若者言葉では単なる強調、後接の語の程度が強いということを示すだけのものとなっている。

それからというもの、あの日のことは完全にスルー。鬼スルー。ノータッチ。ノーリアクション。バックオーライ。何なんですかねえ、この人は。(昨年秋放送TBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』7話・バスガイド姿のみくりさんの台詞)


このドラマの台詞にある「スルー」は無視の意。「完全にスルー」も「鬼スルー」も同意で、「鬼」は「スルー」の程度が強いということを示している。若者世代の使う「超難しい」「超忙しい」等の「超」も程度が強いということを示すものだが、その使われ方からすると、「超」よりも「鬼」のほうがさらに程度が強いと彼等のあいだでは認識されているのかもしれない。

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テーマ : 日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

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