負け戦で松山藩内に流行った歌

幕府の崩壊が目前の慶応2年(1866)、松山藩は幕命に律儀に従って長州に出兵、事実上の敗退という結果になった。司馬遼太郎の『坂の上の雲』にこの負け戦の後、松山藩内で流行(はや)った歌というのが出ている。

この藩は、長州征伐でも負けた。負けてくやしがるよりも、謡(うた)がはやった。
長州征伐マの字にケの字
猫に紙袋(かんぶくろ)で、後(あと)に這()う
士族の子までうたった。(『坂の上の雲』「春や昔」)


この「長州征伐マの字にケの字」の部分は司馬遼太郎の創作であろう。実際には、「長州とろとて我が国とられ、猫に紙袋で、後に這う(「猫に~」は猫に紙袋をかぶせると前に進まず、あとずさりするという意)」という詞の歌が流行ったらしい(昭和37年版『松山市誌』)。世の趨勢を見きわめえなかった藩を揶揄嘲笑した歌であるが、藩内の庶民がこれを放唱しても、藩はもう取り締まることもしなかったといわれている。

【参考文献】
松山市誌編集委員会『松山市誌』1962年10月
司馬遼太郎『坂の上の雲(一)』(新装版)文春文庫1999年1月

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テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

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