古典にみえる月-「カインとその茨」

けれどもさあ、ここを去ろう。すでにカインとその茨は両半球の
境をつかみ、セビリアに寄せる
波に触れているのだから。


ダンテ(1265-1321)の『神曲』「地獄篇」第二十歌の一節。「カインとその茨」とあるのは月のこと。中世のイタリアでは、月の斑点の模様は、茨を背負わされているカインの姿と見られていた。『聖書』の「創世記」の物語では、カインはアダムとエバの息子。弟のアベルを殺害し、神より呪われるものとなった。そのカインが弟殺しの罰として茨を背負わされた姿となっているのが月の模様であると中世のイタリア人は見ていたのである。『神曲』の上の一節は注の助けがなければ文意が把捉しがたいが、「カインとその茨」である月が西の水平線に沈みかけているという意であるらしい。

【参考文献】
ダンテ・アリギエリ 原基晶訳『神曲 地獄篇』講談社学術文庫 2014年6月

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