「秋の山御幸寺と申し天狗住む」

▼ 御幸寺山(標高164.6m)
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▼ 「秋の山御幸寺と申し天狗住む」の子規句碑(平和通り)
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城下の周囲にある山川または神社仏閣等は普く歩き廻って、殆んど足跡の到らぬ所なきに至った。まず山では城下の北方にある御幸寺山、これは天狗が居ると言って恐れた所だったが、そんな事は意に介せず、度々山頂まで登った、山頂には大きな岩があって、その上に小さい祠が祀ってあった。この岩には貝の殻が着いていた。けだし太古の地変で海面が凸起した遺跡であろう。尤もかかる事も奇怪の一つとし、或る季節に祭典を執行する行者が登る外は、他の者は一切足踏みせぬ事になっていた。それを迷信だといって平気で登るのが当時の漢学生等の自慢とするところであった。(内藤鳴雪『鳴雪自叙伝』六)


これは松山の北郊にあって、御幸寺と書いて「みきじ」と訓むのである。岩骨の露出してをる山であって、稀に松が生えてをる。その山の姿がさも天狗でも棲んでをるであろうと思はれる形をしてをる。此山に登らうとして墜落した者がありでもした処からそんな噂を生んだものであらうか。とにかく私も子供の時分、御幸寺には天狗が棲んでをると言ふことを聞いて、恐ろしく感じてをったものである。(高浜虚子『子規句解』)



【参考文献】
高浜虚子『子規句解』(松山市民双書21)松山市教育委員会 1979年3月
内藤鳴雪『鳴雪自叙伝』岩波文庫 2002年7月

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テーマ : 日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

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