「幸福の秘訣」

正岡子規の内なる精神の活力-芥川龍之介はそれに驚嘆している。

子規の生活力の横溢せるには驚くべし。子規はその生涯の大半を病牀に暮らしたるにも関らず、新俳句を作り、新短歌を詠じ、更に又写生文の一道をも拓けり。しかもなほ力の窮したるを知らず、女子教育の必要を論じ、日本服の美的価値を論じ、内務省の牛乳取締令を論ず。殆ど病人とは思はれざるの看あり。(芥川龍之介「病中雑記-「侏儒の言葉」の代りに-」)


子規のその活力は自己の外側のさまざまな事柄に対する尽きざる関心となってあらわれた。哲学者のバートランド・ラッセルは『幸福論』の中で、

幸福の秘訣は、こういうことである。あなたの関心をできるだけ幅広くせよ。(中略)人間は関心を寄せるものが多ければ多いほど、ますます幸福になる機会が多くなる。(渡邊二郎訳)


と述べているが、子規はラッセルのいうその「幸福の秘訣」を心得た人であったといえるかもしれない。

【参考文献】
安藤貞雄訳『ラッセル幸福論』岩波文庫 1991年3月
『芥川龍之介全集』第13巻 岩波書店 1996年11月
『渡邊二郎著作集』第12巻 筑摩書房 2011年8月

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テーマ : 歴史上の人物
ジャンル : 学問・文化・芸術

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