オーストリア皇太子の旅行日記、瀬戸内海についての記述

明治26年(1893)の夏、日本を訪れたオーストリア皇太子フランツ・フェルディナント(1863-1914)。その旅行日記には瀬戸内海の美しさについて述べた文章がある。

瀬戸内海は、西の下関から東の大阪まで、とくに中央部には火山活動でできた島々が海面をおおうばかりに点在し、日本の資料によると数千にもなるそうだ。(中略)錯綜する島々を抜けて行くのはまことにわくわくさせられ、実際に自分の目で見てみると、これまでの旅行記の昂揚した筆致もけっして誇張ではないと思い知らされた。比較的大きめの島には、意外と大きな山もある。じつに堂々とした姿だ。場所によっては樹木が生えていないこともあるが、背景としては効果的である。一方、小島の姿はいかにも幻想的だ。海面からにわかに巨岩が頭をもたげる島あり、丘陵におおわれた島あり、円錐形の山が櫛比する島あり。また、ある程度の大きさの島には、例外なく人びとが住みつき、海沿いに集落が点在し、漁村もあちこちに見える。どの島を見ても、振り返って見れば、かすかに波立つ海面に小舟が躍るように群れている。なんという多彩、暢達、壮大な印象。なんという濃密な魅力、いま目前に展開されている風景を凌駕するような自然景観というものは、どれほど想像力を大胆に飛翔させたとしても思い描くことができるものかどうか、ちょっと難しいのではあるまいか。わたしたちは時間のたつのも忘れ、すっかり目を奪われていた。


江戸後期、日本を訪れたシーボルト(1796-1866)も瀬戸内海の美しさに言及している。→ブログ2011年11月28日記事

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【参考文献】
フランツ・フェルディナント/安藤勉訳『オーストリア皇太子の日本日記-明治二十六年夏の記録-』講談社学術文庫2005年9月

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テーマ : 日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

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