カエサルの悩み

ローマ帝政への道を築いたユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー 前100頃-前44)。「彼は長身で白皙、均斉のとれた体に、口はやや大きめで、目は黒く炯々と輝き、健康に恵まれていた」というのは、そのカエサルの容貌についてのスエトニウス(70頃-130頃)『ローマ皇帝伝』の記述であるが、同書はまたカエサルが悩みとしていた外見上の次のような事実についても記述を残している。

しかし醜い禿頭だけは、政敵が攻撃のたびに揶揄の対象とするのを何度も体験し、耐え難く悩んでいた。そこで乏しくなった髪の毛をいつも頭のてっぺんから額の方へ撫でおろしていたし、元老院や民会から決議されて贈られたあらゆる名誉のうちで、月桂冠を終身かぶるという権利ほど、喜んで受けとり活用したものはなかった。(スエトニウス『ローマ皇帝伝』第一巻「カエサル」)


カエサルはこのことでは兵士たちからも揶揄された。ガリアの凱旋式で兵士たちは次のような歌をカエサルの前でうたったという。

都の人たちよ、女房を守れ。いま、われわれは、薬罐頭(やかんあたま=禿頭)の女たらしを連れ帰った。
カエサルよ、あなたはローマで借りた金をガリアで放蕩に使い果した。(同上)


カエサルは好色なことでも有名だったので、頭のこととあわせて兵士たちから揶揄されたのであった。

【参考文献】
スエトニウス・国原吉之助訳『ローマ皇帝伝(上)』岩波文庫 1986年8月

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テーマ : 歴史上の人物
ジャンル : 学問・文化・芸術

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