前畑秀子「私が心から叫びたいこと」

1932年のロサンゼルス・オリンピックに水泳選手として出場した前畑秀子(1914-1995)は、女子200m平泳ぎで銀メダルを獲得したが、帰国後の祝賀会で見知らぬ紳士(東京市長・永田秀次郎)から、「なぜ金メダルをとらなかったのか。僅かの差で負けたことが悔しい。次のベルリン・オリンピックでは必ず金メダルをとってくれ」と涙まじりに言われ、それまでの晴れ晴れとした気分が吹き飛び、一挙に心が重くなったという。36年のベルリン・オリンピックで前畑は金メダルを獲得、国民の期待にこたえたが、後年、選手時代をふりかえって次のような発言をしている。

ただ、かえりみて、私が心から叫びたいことは、ひとはスポーツをするに当って、決して勝利を目的とし、そのことのみ熱中してはならないということである。
私の青春時代が、一つの良い手本である。
私にも、青春時代には甘い思い出も、たのしい夢もあった。しかし、それらのすべてが水泳に結びついているために、私の青春はいやでも幅を狭くしてしまい、私は小さなひとつの花でしかなかったようだ。このことが、果たして、幸福であったろうか。(引用は下記参考文献に拠った)


「私が心から叫びたいこと」-よほどの思いがあっての発言であろう。重く受けとめるべきことがここに述べられている。

【参考文献】
伊藤之雄『日本の歴史22 政党政治と天皇』講談社学術文庫 2010年4月

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テーマ : 歴史雑学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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