正岡子規「華盛頓」

「華盛頓」はワシントン。アメリカの初代大統領ワシントン(1732-1799)の漢字表記である。子規は数え年16歳の時に「華盛頓」と題する漢詩を作った。

  華盛頓
果看草莽起英雄
焦思砕心百戦中
血雨剣花春爛漫
中含天地自由風

  華盛頓(ワシントン)
果たして看る 草莽より 英雄起こるを
焦思砕心 百戦の中
血雨剣花 春爛漫
中に含む 天地自由の風


「天地自由の風」-明治以降、「自由」はlibertyやfreedomの訳語として用いられた。子規のこの詩でも無論その意だが、「自由」という語は古くは「わがまま」「好き勝手」「勝手気まま」といった意味であった。

この僧都、見目よく力強く、大食にて、能書、学匠、弁説人にすぐれて、宗の法燈なれば、寺中にも重く思はれたりけれども、世をかろく思ひたる曲者(くせもの)にて、よろづ自由にして、大方、人にしたがふといふ事なし。(『徒然草』第六十段)


「この僧都(盛親僧都)は容貌がよくて力が強く、健康で大食、書の名手であり、学者であり、弁舌さわやかな点でも人にすぐれて、宗(真言宗)の中でも立派な僧であるから、寺(仁和寺)の中でも重く見られていたけれども、世俗のことを何とも思っていない変わり者で、万事勝手気ままで、いっこう世間普通の人のとおりにするということがない」。
気ままなふるまい、身勝手なふるまい、「自由」はそれを非難する意を込めてつかわれる語だったのである。

【典拠文献】
『子規全集』第8巻(漢詩 新体詩)講談社 1976年7月
松尾聡『徒然草全釈』(新装改訂版)清水書院 1989年3月

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