『なじみ集』-「松山」の前書の句

正岡子規自筆自輯の選句稿『なじみ集』には、「松山」の前書をもつ句が2句ある。

  松山
緋の蕪(ひのかぶら)生石(いくし)竹原霜寒し
  松山
凩(こがらし)や魚売る妹(いも)が御用櫃(ごようびつ


ともに内藤鳴雪の句。「緋の蕪」は松山城の天守閣が見えるところでないととれないといわれる伊予緋かぶ。これを漬物にした緋の蕪漬は古くから松山の特産品であった。「生石」「竹原」は現在は市街地であるが、明治の当時は農地で秋作に緋の蕪の栽培をおこなっていたのであろう。後の句は「松前(まさき)のおたたさん」を詠んだものと思われる。「おたたさん」というのは松山の南西、松前地方の魚売りの女性行商人のことで、その販売網は松山の城下にも及んでいた。魚を入れた御用櫃を頭上にのせて売り歩くそのスタイルは当地方の名物でもあった。

『なじみ集』の総句数は4378句。そのうち鳴雪の句は583句で個人別では最も多い。

【典拠文献・参考文献】
『「なじみ集」翻刻版』松山市立子規記念博物館 2012年3月

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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
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