子規、故郷の鯛の味

NHKのドラマ《坂の上の雲》第2回(2009年12月6日放送)に、香川照之演じる正岡子規が「これが東京の鯛か、うまい!」という場面があったが、子規自身は故郷でとれる新鮮な鯛がうまいと述べている。

当地(注-故郷松山)ニ於テ(中略)喜ばしきものハ第一海魚の鮮なる事にて候。就中小生の推して第一トスル所ノ者ハ鯛の吸ひ物と洗ひ鯛なり。洗ひ鯛ハさしみの類なれども夏日炎暑の候なれば之を洗ひし者なり。其味の美なることハ大兄等が万里外に垂涎せらるゝよりも猶甘し。殊に菊池兄(注-菊池謙二郎)に至てハ此天地ニ生を受ケシより以来未ダ嘗て其味を知らざる事なれば、若シ万々一ノ事ありて之ヲ食はしめば、一嘗三嘆のみならざるべし。兄等読んで此等に至て豈唾の口中にたまらざるを得んや。小生等時に之を食ふ者といへども書て此に至りて亦多少感慨を生ぜり。呵々(句読点は引用者の付加)


子規が明治18年(1885)の夏の帰省中に書いた手紙(8月2日付・清水則遠宛)に上の一文がある。当地の新鮮な鯛を吸い物や洗いにすると絶品、その味を知らない水戸生まれの菊池謙二郎が食べたら「一嘗三嘆」(一唱三嘆のもじり)どころではないだろうと子規はしたためている。その絶品の味の当地の鯛というのは、三津で水揚げされる伊予灘の鯛のことであった。明治28年(1895)の子規の句に「秋風や高井のていれぎ三津の鯛」。高井の里でとれるさわやかな辛味のていれぎ(刺身のつまにする水草)と活きの良い三津の鯛、この二つは子規にとって生涯忘れることのできない故郷の味だったのである。

▼ 西林寺(市内高井町)門前にある「秋風や高井のていれぎ三津の鯛」の子規句碑
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関連記事→「子規推奨の鯛料理」(当ブログ2011年2月19日記事)

【典拠文献】
『子規全集』第18巻(書簡1)講談社 1977年1月

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松山城・石垣

▼ 松山城の石垣
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松山城の石垣はほとんどが花崗岩。瀬戸内地方は花崗岩の産地でもあったから、この地方の城の石垣は立派なものが多い。

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松山城・隠門(かくれもん)

▼ 隠門(重要文化財)
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▼ 隠門続櫓(重要文化財)
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隠門は筒井門の奥に隠された埋門形式の櫓門。筒井門に迫る敵の側背を急襲する構えとなっている。隠門・同続櫓は慶長の築城当時のものと考えられており、乾櫓、野原櫓とともに城内で最も古い貴重な遺構。

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松山城・乾門(いぬいもん)

▼ 乾門(左)・乾門東続櫓(右)
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▼ 同上
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▼ 同上(乾門東続櫓の右に南隅櫓・小天守)
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▼ 乾門
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▼ 同上
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▼ 乾門(右)・乾門東続櫓(左)
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▼ 乾門(左)・乾櫓(右)
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▼ 乾門東続櫓(左)・乾櫓(右)
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乾門・同東続櫓は本丸の西北(乾の方角)に位置する櫓門と平櫓。乾櫓とともに搦手(城の背後・裏口)を防衛する。慶長の築城時の乾門・同東続櫓は正木城(松前城)からの移築と伝えられていたが、昭和20年(1945)7月の戦災で焼失、57年(1982)11月に復元された。

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松山城・乾櫓(いぬいやぐら)

▼ 乾櫓(画像左に乾門東続櫓・乾門)
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▼ 乾櫓
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乾櫓(重要文化財)は本丸の西北(乾の方角)に位置する二重櫓。慶長の築城時、正木城(松前城)から移築されたと伝えられており、野原櫓・隠門とともに城内最古の建造物。内部の西・南・北三方の壁は中に小石や瓦を詰めた太鼓壁で、鉄砲で攻撃をうけても弾丸が貫通しないようになっている。

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